英語を勉強して話せるようになりたい、という人は多いですよね。私の職場でも英語を勉強している人がいます。電車に乗れば英会話の広告、ネットでは語学留学の広告がたくさんあるのを見ると、日本で英語学習のニーズは高いことがわかります。
私も外資系コンサルに転職する際にはTOEICの勉強をしましたし、今も英語のニュースは聞いていますので、英語を勉強したいという気持ちはよくわかります。
今回は、TOEIC835点の筆者が、英語を勉強するときに注目すべきことを解説します。
英語を勉強するときに注目すべきこととは何か
まずは、英語を勉強するときの工程を考えてみましょう。英語の勉強は、インプット(入力)、アブソービング(吸収)、アウトプット(出力)という3つの工程で構成されています。
あなた自身を箱だと考えたとき、見たり聞いたりして英語が箱の中に入ってきて(インプット)、その内容を理解・吸収し(アブソービング)、書いたり言ったりして表現する(アウトプット)という作業を繰り返すことで、英語を使えるようになるということです。
これを式で表すと、
インプット(入力)×アブソービング(吸収)×アウトプット(出力)=1回当たりの英語学習成果
1回あたりの英語学習の成果 × 回数 = トータルの英語学習成果
そうすると、英語学習の成果を高くしたければ、下記要素に注目すればよいということになります。
・インプット(入力)
・アブソービング(吸収)
・アウトプット(出力)
・学習の回数
これだけでは抽象的すぎるので、もっと具体的に解説します。
英語学習の成果を高める方法
英語学習の成果を高めるには、
インプット(入力)×アブソービング(吸収)×アウトプット(出力)×回数
の値を最大化させればいいわけですから、
Input(入力): 質・量を増やす
Absorbing(吸収): 吸収率を上げる
Output(出力): 質・量を増やす
学習の回数: 回数を増やす
ことに注目すればよいわけです。
インプット(入力)の質・量を増やす
Input(入力)とは、英語を見たり聞いたりすることです。英語を見たり聞いたりすることで、あなたの脳内に英語が入ってきますね。
英語を見たり聞いたりする手段は、本を読む、英語のニュースを見る、外国人に英語で話してもらうなどが考えられます。今であれば、スマートスピーカーに「英語のニュースを聞かせて」と話しかけるだけで、英語のニュースを聞くこともできるので、Input(入力)は簡単にできます。
英語の学習成果を高めたければ、その量を増やすことが必要です。ただし、いつまでも”This is an apple.”といった子供向けの絵本レベルしかInput(入力)しなければ、いつまでたっても英語は上達しませんので、質も高めていかなければなりません。
私のおすすめを「聞く」と「読む」に分けて挙げます。
「聞く」方法のおすすめは、英語のニュースを聞くことです。アメリカ英語ならCNN10、イギリス英語ならBBCがおすすめです。
CNN10はアメリカの放送局CNNが中高生(ネイティブ)向けに放送している、コマーシャルのない10分間のニュースです。授業中に生徒に聴かせることも想定しているようです。Native English Speakerの中高生向けですのでペラペラ英語を話してくれますが、聞き取りやすいように発音してくれているので、おすすめです。
BBCはイギリスの公共放送局で、Learning Englishというサイトも作ってくれていたりと、英語学習者に向けたコンテンツも作ってくれています。
「読む」方法のおすすめは、英語学習の目的にもよると思います。
もしTOEICで高得点を取りたいなら、過去問とTOEIC対策本をひたらすら読むのがおすすめです。
そうではなく、Nativeと同じくらい英語を使ってコミュニケーションをできるようになりたいというのが目的であれば、英語の古典を読むのがいいと英国人が言っていました。「何がいいの?」と聞いたら、「シャーロックホームズとかいいんじゃないか」って教えてくれたので、私も読もうと思っています。
アブソービング(吸収)の効率を高める
英語を見たり聞いたりしたら、脳で吸収しますよね。吸収することを、Absorbingといいます。
吸収率を上げれば上げるほど、英語の学習成果は上がります。
英語の吸収率を高めるにはどうすれば良いかというと、基礎的な文法を理解することです。ただし、日本の中学校や高校でやっているような、これは過去形、これは現在進行形みたいな、文法の型を覚えることにばかり注目するのは得策ではありません。
何度も英語に触れていると、そのうちどういう意味でその文法が使われているのかがわかってきます。たとえば、日本人が苦手な「have +pp」という文法でも、あぁ、これはもう完了したっているんだな、とか、〇〇したことがあるって言ってるんだな、とかいうことは生の英語に触れていればわかってきます。
むしろ文法の暗記だけをしただけではいつまで経っても英語を話せるようにはなりません。
日本人だって、「これは形容詞です」とか「これは形容動詞です」とか教わらなくたって、日本語を話せますよね。
ただ、外国語を読んだり聞いたりして勉強している場合、その意味内容を見たものと結合して理解することができません。イギリスで生まれれば、”Hi my cute baby, this is an apple. Do you like this? Do you want to eat this? “と微笑みかけてくれる母親がいて「あぁ、これがアップルなん?なんか嬉しそうやな。えっ、食べさせてくれんの?」と見たものと言語を結合させることができますが、日本で生まれてもう大人になっていますからね。そう言って微笑みかけてくれるMamはいないわけです。
そのため、英語の意味内容を理解するために、基礎的な英語の文法を理解(Understanding)していなければならないわけです。
あくまで文法の理解は英語の吸収率を高めるための手段であって、それ自体は目的ではないのです。
アウトプット(出力)の質・量を増やす
英語はコミュニケーションツールです。ツールは使わないと上達しませんね。したがって、英語は使う=outputしなければ上達しません。
Output(出力)の手段は2つあります。書くことと話すことです。残念ながらこの記事を書いている時点ではテレパシーでのコミュニケーションという技術は存在しないので、書くか、話すかです。タイピングも広い意味で「書く」に含まれると考えてよいでしょう。なので、「書く」か「話す」かです。
Output(出力)も質・量ともに高めることが重要です。書けば書くほど英語の文章力は上達し、話せば話すほど英会話が上手くなります。その書いたり話したりする内容のレベルが上がれば上がるほど、より英語力も高まっていきます。
今日、私は会社での仕事で、英語で資料を作成し、英文メールでコミュニケーションしていました。ずーっとです。そうするとだんだん、英語をいつもよりも話せるような気になって、英国人の先輩に英語で話してみたところ、いつもよりもスルスルと英語が出てきました。たかだか10時間ほど英語をOutput(出力)し続けただけでこれだけ成果が上がるので、Outputは英語学習の成果にとって重要だと改めて感じました。
回数を増やす
インプット(入力)×アブソービング(吸収)×アウトプット(出力)×回数
の最後は回数です。
回数を増やせば増やすほど、英語は上達します。
もうこれは何度もやるしかありません。何度も何度も英語のニュースを聞く、何度も何度も話す、など。
ちなみに、私がTOECI対策をしていたときは、何度もリスニング対策のCDを聞きました。もう何度も何度も聞きまくりました。CDが擦り切れるんじゃないかと思うくらい聞きまくりました。そして気づいたら、リスニングは445点に到達していました。495点中の445点ですので、約90%聞き取れていることになります。何度も何度も聞けばいいんです。それだけです。
まとめ
英語を勉強するときに注目すべき工程は、Input(入力)、Absorbing(吸収)、Output(出力)です。
Input(出力)の手段は、「聞くこと」と「読むこと」です。
Absorbing(吸収)の効率を高めるには基礎的な文法の理解(Understanding)が必要です。
Output(出力)の手段は、「話すこと」と「書くこと」です。
これらのうち、あなたが足りない部分に注目すべきです。その作業を増やせば、あなたの英語力は伸びていきます。
日本で生活している限り、(私のように仕事で英語を使う場合を除き)英語を使わずに生きられますよね。私だって、転職して英語を使わない仕事に就けば、英語を使わなくても生きられます。そのため、意図的に英語を「聞くこと」「読むこと」、「話すこと」「書くこと」をやらない限り、英語は上達しません。
今の時代は、簡単にこれらの作業ができる時代です。インターネットでいくらでも英語のニュースを聞いたり読んだりできます。英会話喫茶に行ったり、スカイプ英会話のようなものをやることによって英語で話すことができますし、自分で毎日英語のブログ記事を書くことだってできます。あとは、やるかやらないかです。
まずは自己分析をしたうえで、あなたに足りない作業は何かを特定し、その作業をやってみましょう。やってみればいつか変化が起きますよ。
本郷 春都(@hongo_haruto)
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