【問題と解説】簿記3級を独学する人のために過去問を解説【商品売買-仕入取引-8】

【問題と解説】簿記3級を独学する人のために過去問を解説【商品売買-仕入取引-8】

簿記3級を独学で取得したいけど、過去問を見ても何を聞かれているのかよくわからないという人はいませんか?
最近、会計に関する知識のニーズは高まっていて、学生さんだけでなく、会社員の方でも簿記を勉強している人は多いですよね。

 

私は独学で簿記2級と3級を取得し、8年間、会計と税務の仕事をしてきました。
職場については、東証一部上場企業、監査法人系コンサルティングファーム、外資系レコード会社で働いてきました。

 

学生時代は法律を専攻し、会計は全く知らない状態からの勉強でしたが、簿記3級は3カ月の勉強時間で合格しました。
簿記3級は誰でも独学で取得できます!貸借対照表、損益計算書、勘定科目・・・漢字ばっかりでよくわからんと思っているあなた、諦めないでください。

 

私がわかりやすく解説します!

 

今回は、独学で合格したい方のために、過去問の解説を行います。

 

商品売買の中でも、仕入取引に関する仕訳問題について、問題・解答・解説を記します。

 

第133回日商簿記3級 第1問 仕訳問題 5.

【問題】

次の取引について仕訳しなさい。ただし、勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと(省略)。

甲斐商店から商品 ¥ 900,000 を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。なお、当座預金の残高は ¥ 750,000であるが、取引銀行と借越限度額 ¥ 1,000,000 の当座借越契約を締結している。

 

【解答】

 

【解説】

この問題は、自分のお店が仕入れをしたときの仕訳を聞く問題です。

 

仕入れの代金は、2つの方法で支払っています。

・小切手で支払う方法1 – 自分の当座預金から

・小切手で支払う方法2 – 足りない分は当座借越で

それぞれについて、解説します。

 

小切手で支払う方法1 – 自分の当座預金から

「商品 ¥ 900,000 を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。なお、当座預金の残高は ¥ 750,000である」という部分がこれに当たります。

小切手をもらった人は、銀行に行くと換金することができます。そのとき、小切手を振り出した人の当座預金からお金が差し引かれます。

小切手を振り出した人にとっては、当座預金が減ることになるので、貸方は当座預金となります。

 

ただし、今回は仕入代金をすべてまかなうのに必要な残高が、当座預金にはありません。

まずは、当座預金の残高でまかなえる部分について、仕訳します。

今回、当座預金でまかなえる金額は¥ 750,000です。

 

さて、自分の名義で仕入先に対し小切手¥ 750,000を振り出す場合は、次のように仕訳を書きます。

仕入 ¥ 750,000 / 当座預金 ¥ 750,000

当座預金という資産が減るので、貸方(右側)に書いています。

 

小切手で支払う方法2 – 足りない分は当座借越で

仕入額¥ 900,000と預金残高¥ 750,000の差額は、¥ 150,000です。

この¥ 150,000はどのように支払うのでしょうか。

 

本問では、「取引銀行と借越限度額 ¥ 1,000,000 の当座借越契約を締結している」と書かれています。

これは、「取引の状況によって一時的に残高が足りなくなることもありますよね、その場合は残高が無くても¥ 1,000,000まで小切手で支払えるようにしますよ。もちろん、後で口座にお金を入れてくださいね」ということです。

今回足りないのは¥ 150,000なので、当座借越限度額 ¥ 1,000,000の範囲内です。そのため、当座借越をして小切手で支払うことができます。

 

後でお金を入れないといけないので、「いやだな~」ということで、負債です。

仕訳は次のとおりです。

仕入 ¥ 150,000 / 当座預金 ¥ 150,000

 

以上2つの仕訳を1つにまとめると、答えになります。

 

まとめ

複雑に見える問題も、分解すると1つ1つの仕訳は簡単なものです。それらをまとめることで、答えを得ることができます。

 

文章での説明だけではわかりにくいですか?

大丈夫です。

 

今後、YouTubeに簿記3級対策の動画をアップロードする予定です。

ホワイトボードに説明を書きながら、口頭でわかりやすく説明するつもりですので、それを見るだけで勉強が進みます。

YouTubeを見るときにこのページを参照してもらえば、理解が進むはずですので、安心してください。

 

本郷 春都(@hongo_haruto

 

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