簿記3級を独学で取得したいけど、過去問を見ても何を聞かれているのかよくわからないという人はいませんか?
最近、会計に関する知識のニーズは高まっていて、学生さんだけでなく、会社員の方でも簿記を勉強している人は多いですよね。
私は独学で簿記2級と3級を取得し、8年間、会計と税務の仕事をしてきました。
職場については、東証一部上場企業、監査法人系コンサルティングファーム、外資系レコード会社で働いてきました。
学生時代は法律を専攻し、会計は全く知らない状態からの勉強でしたが、簿記3級は3カ月の勉強時間で合格しました。
簿記3級は誰でも独学で取得できます!貸借対照表、損益計算書、勘定科目・・・漢字ばっかりでよくわからんと思っているあなた、諦めないでください。
私がわかりやすく解説します!
今回は、独学で合格したい方のために、過去問の解説を行います。
【問題と解説】簿記3級を独学する人のために過去問を解説【商品売買-仕入取引】
商品売買の中でも、仕入取引に関する仕訳問題について、問題・解答・解説を記します。
第143回日商簿記3級 第1問 仕訳問題 2.
【問題】
次の取引について仕訳しなさい。ただし、勘定科目は次の中から最も適当と思われるものを選ぶこと(省略)。
株式会社定礎に注文していた商品 ¥ 400,000 が到着した。商品代金のうち 10%は前金としてあらかじめ支払済みであるため相殺し、残額は掛けとした。なお、当店が負担することになっている商品の着払い送料 ¥ 5,000 は現金で支払った。
【解答】
【解説】
この問題は、自分のお店が仕入れをしたときの仕訳を聞く問題です。
仕入れの代金は、3つの方法で支払っています。
・前金で支払う方法
・掛けで支払う方法
・現金で支払う方法(購入に付随する費用)
それぞれについて、解説します。
前金で支払う方法
¥ 400,000 × 10% =¥ 40,000
を前金としてあらかじめ支払っていたのですね。
前払いしたとき、簿記3級では前払金という資産を計上します。前払いした金額に対応する経済的利益がこれから手に入るので、資産です。
ちなみに、大体「うれしいなー」というものは資産で、「いやだなー」というものは負債です。
前払いの場合、もうお金を支払わなくていいけど物はもらえるから「うれしいなー」ということで、資産です。
本問で、前払いしたときの仕訳は、次のとおりです。
前払金 ¥ 40,000 / 現金 ¥ 40,000
さて、本問では「注文していた商品 ¥ 400,000 が到着し」たとあるので、仕入れが完了しています。
そのため、前払金は仕入に振り替えます。
仕入 ¥ 40,000 / 前私金 ¥ 40,000
なお、「あらかじめ支払済みであるため相殺し」というのは、前払金は解約手付であり、売買契約の締結により発生した手付金返還請求権を売買代金支払請求権と相殺したという趣旨だと思いますが、簿記を解く上では気にしなくてOKです。前金で支払った分はもう支払わなくていいよね、といった理解で大丈夫です。
掛けで支払う方法
「残額は掛けとした」という部分がこれに当たります。
掛けで支払うというのは、今すぐに代金を支払うのではなくて、「1か月後の月末」とか「3か月後の月末」といった支払期日を約束をして、期日までにお金を支払うことをいいます。
イメージでいうと、飲み屋さんで「ツケといて~」と言っているツケです。ツケは払わないといけません。これが掛けで買うということです。
さて、この掛けで商品を購入したとき、「お金を払わないといけない」という義務が発生します。この支払義務を、「買掛金」という勘定科目を使って表現します。
お金を払わないといけないから「いやだなー」ということで、負債です。
今回は、¥ 400,000 - ¥ 40,000 =¥ 360,000を後で支払わないといけないので、次のように仕訳します。
仕入 ¥ 360,000 / 買掛金 ¥ 360,000
購入に付随する費用
さて、問題文の最後に、「当店が負担することになっている商品の着払い送料 ¥ 5,000 は現金で支払った」と書かれています。送料を自分のお店で負担したということです。
仕入に際してかかった付随費用は仕入額に含めますので、次のように仕訳します。
仕入 ¥ 5,000 / 現金 ¥ 5,000
以上3つの仕訳を1つにまとめると、答えになります。
まとめ
複雑に見える問題も、分解すると1つ1つの仕訳は簡単なものです。それらをまとめることで、答えを得ることができます。
文章での説明だけではわかりにくいですか?
大丈夫です。
今後、YouTubeに簿記3級対策の動画をアップロードする予定です。
ホワイトボードに説明を書きながら、口頭でわかりやすく説明するつもりですので、それを見るだけで勉強が進みます。
YouTubeを見るときにこのページを参照してもらえば、理解が進むはずですので、安心してください。
本郷 春都(@hongo_haruto)
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